韓国では春先になると、中国大陸から偏西風にのってくる黄砂(황사/ファンサ)によって、深刻な大気汚染が発生します。
通常、黄砂のピークは3~5月なのですが、年々ひどくなっていく中国の大気汚染問題のせいで、ここ数年の韓国は、1月というまだ早い冬の時期にも、黄砂に悩ませられるようになってしまいました。
黄砂の数値が高い日は、韓国の空は黄色がかった霧に包まれたかのようになってしまい、近くの建物や山がかすんで見え、道端の車を見ると黄色い塵が積もります。
春はとくに黄砂のひどい時期なのですが、春に長期休暇が多い日本では、春休みに卒業旅行として、またはゴールデンウィークの海外旅行先に、韓国を選ばれる方も多いと思うんです。
今回は、韓国旅行中に気をつけなきゃいけない「黄砂」から、自分や家族の健康を守るための対策をご紹介していこうと思います。

《韓国最新情報》

黄砂ってなに?黄砂がおこる原因は?

「黄砂」とは、中国大陸内陸部の砂漠地帯で、強風により巻き上げられた砂の粒子が偏西風(ジェット気流)によって大気中に舞い上げられ、空をおおい、地上へ降りそそぐ現象のことをいいます。
中国から離れた韓国で、春に頻繁に黄砂問題が起きるのは、春は季節的にも乾燥しており、偏西風が吹くことによって黄砂が遠くまで運ばれる傾向にあるからだ、といわれています。
韓国は、中国とは大陸続きなので、中国大陸とのあいだに海のある日本よりも黄砂の被害が大きいのです。
黄砂による被害とは?
みなさんは観光で韓国に行くのですから、きっと韓国に滞在中のほとんどを屋外で過ごすことと思います。
しかし、黄砂の数値が高いときの、ほんの少しの外出だけでも、みなさんの健康に害がおよぶ可能性があることをご存知ですか?
健康被害を含め「黄砂」による被害には、一体どんなものがあるのでしょうか?
・鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどのアレルギー症状・喘息や気管支炎の誘発
・皮膚に炎症があらわれる(湿疹やアトピーなど)
・建物の窓ガラス、車や洗濯物に砂が付いて黄色く汚れる
・見通しが悪くなり、飛行機が欠航になる場合もある
・農作物の育ちが悪くなる
・PM2.5は黄砂に付着して飛んでくる
黄砂による健康被害【体験談】

みなさんが1番心配するのは、やはり『健康被害』ですよね。
実際のわたしの体験をお話しすると、わたしがまだ韓国に来たばかりのころ、黄砂のことをよく知らなかったわたしは、黄砂がひどい日も関わらず、マスクもせずに外を出歩いていました。そのときはなんともなかったのですが、家に帰ってきてから、のどイガイガ、目はかゆく、くしゃみが止まらなくなったのです。
わたしは花粉症にもなったことがなかったので、きっと風邪を引いたのだと思っていました。しかし、ニュースで黄砂の特集を見て初めて、風邪ではなく『黄砂によるアレルギー症状』だと知ったのです。
韓国政府から『黄砂注意報』発令!
通常は3~5月あたりが黄砂のピークになるのですが、ここ数年は1月辺りでも黄砂の数値が高い日が何日もあり、『黄砂注意報』が出されるほどにまでなってしまいました。
黄砂がひどいときは、「ビービービーーー!!」という警報音とともに、スマホに政府からの緊急速報が送られてくるのです。

これは、黄砂のせいで視界が悪くなり、車の運転に支障をきたし、事故を起こしかねないため、政府が車での通勤は控えるよう呼びかけるメッセージです。
ちなみに、韓国では黄砂(황사/ファンサ)のことを미세먼지/ミセモンジ(微細粉塵)と言うことが多いです。
『公共交通機関(バス・地下鉄)は無料』になるほどに、韓国では黄砂が深刻な社会問題になっているのですね。

他にも、「本日○時から、□□区域で黄砂警報発令。お年寄りや体が不自由な方、子供たちは屋外活動を禁止。マスクを着用してください。」という緊急速報が送られてくる事もあります。
ちなみに今年2018年の春先、例年にも増して黄砂の数値が高いので、去年よりも大人も子どももマスクを着用している人が増えました。
2018年4月初め…黄砂濃度300越えの日がありました。
今年の春、韓国への旅行を計画している方は「黄砂用マスク」を忘れずに!


韓国旅行中の外出時の「黄砂対策」
できることなら、黄砂の心配なんてせずに韓国旅行を楽しみたい!でも、黄砂がいつ中国から飛んでくるかなんて予測できないのが事実・・・。
いつ黄砂がひどくなっても大丈夫なように、韓国へ旅行に行くときは黄砂対策をしっかりとして、自分や家族の健康を守りましょう!
韓国旅行中の外出時は「黄砂用」マスク着用を忘れずに!
基本中の基本ですが、「マスクの着用」は忘れずにしてください。
マスクにも色々な種類がありますが、黄砂やPM2.5に対応しているマスクを用意しておきましょう。
黄砂の健康被害は、免疫力のまだ弱い子供たちにとくに多いので、お子さんも連れての旅行の場合は、子供用サイズの「黄砂、PM2.5対応マスク」も忘れずに。
黄砂対応マスクは韓国でも購入できる
「大変!日本から黄砂対応マスクを持ってくるのを忘れてしまった。」
大丈夫です、韓国でも黄砂対応マスクは売っていて、マートや薬局で手に入りますよ。
日本と同じで、風邪のときに付ける用の普通のマスクも一緒置いてあるので、黄砂用と間違えて買わないように注意が必要です。
袋に『황사』『미세먼지』と書いてある「黄砂対策マスク」を選ぶようにしてくださいね。
大人用


子供用

子供用のマスクは、キャラクター物がほとんどなので、見ればすぐに分かると思います。
ここで注意点がひとつ!
韓国の子供用マスクは、布製のものが一般的で、黄砂対応とは表記されていないものが多いです▼

こちらのマスクは、『황사/黄砂・ファンサ』と表記されてます▼韓国語表記なので、購入する際はよく注意して選びましょうね。

韓国で外出先からホテルに戻ってからの「黄砂対策」
韓国で、黄砂がひどいときに外出するときにはマスクの着用が絶対ですが、観光を終えてホテルに戻ったらもう大丈夫なのでしょうか?
いいえ、体に付いた黄砂の粒子を落とすことが重要になります。
ホテルに戻ったらしてほしい「黄砂対策」
・手洗いうがい
・洗顔
・目を洗う/目薬をさす
・シャワー/お風呂に入って髪を洗う
韓国の黄砂による被害は、日本とは比べものにならないくらい深刻です。春先に韓国へ旅行を考えているかたは、韓国の黄砂への対策をしっかりとして、自分や家族の健康を守りましょうね。